早川 雅之 (助教)
自発的に運動するマイクロ粒子の設計と構築
マイクロ加工技術の発展により,近年,マイクロロボットの構築とその医療・工学分野への応用が注目されています.しかしマイクロメートルスケールでは,粘性抵抗が支配的となり,慣性の影響は無視されるほど小さくなります.そのため,従来のロボット工学に基づく運動機構は効率的に機能しません.この課題を克服するため,周囲の環境からエネルギーを取り入れ,それを推進力として利用する自律的な運動機構に注目した研究に取り組んでいます.
細胞やその集団系に現れる動的秩序現象の理解と応用
細胞を代表とする生命システムは,周囲のエネルギーを利用して自律的に動き,集団として秩序を形成します.もし,細胞そのものや,細胞の自律性や動的秩序形成の原理を工学的に応用できれば,これまでの設計手法とは異なる,新たな技術やシステムの構築が可能になるでしょう.その可能性を探るために,生命システムの原理を解明するとともに,それを応用することで革新的な技術の創出を目指しています.
細胞の運動を制御するための技術開発
細胞は,外部刺激や内的状態に応じて自律的に移動し,その運動は発生・免疫・再生といった生命現象の根幹を支えています.こうした細胞の運動を人為的に制御することができれば,医療・創薬・バイオマテリアル設計など,さまざまな分野に応用可能な技術基盤となり得ます.現在,微細加工技術や生物物理学的な知見を組み合わせ,細胞運動を自在に操る技術の確立に取り組んでいます.
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