
増田 新 (教授)
機械や構造物の損傷検出技術,構造ヘルスモニタリング技術
- 機械や構造物などの稼働時振動や人工的な刺激に対する動的応答を調べることにより,対象物を分解したり稼働を停止したりすることなく,稼働状態や損傷・故障などの異常を定量化し,健全性やパフォーマンスを評価・診断します.
- 損傷部の非線形効果による高周波波動の変調に着目した高感度損傷検出法(ボルトの緩みや接着の剥離の検出)
- 波動伝播情報を用いた1次元構造物の損傷検出法(「細長い」構造物の損傷検知)
- ジャイロセンサを用いた構造接合部の健全性診断法(ボルト締結部や溶接部など)
- サポートベクトルマシンを用いた適応型診断アルゴリズム(使いながら実地に診断アルゴリズムを鍛えていくための仕組み)
- 企業にとって,製品である機械や構造システムのメンテナンスコストを削減することは価格競争を生き抜く上で避けられない課題ですが,一方で,単純なコスト削減は危険な事故の発生リスクを増大させたり製品寿命を縮めてしまうほか,サポート品質の悪化を招き,製品の付加価値を低下させてしまいます.適切でかつ効率の良いメンテナンスによって製品の信頼性を長期間確保し,「ながもち」する機械や構造物を提供するためには,機械や構造物の健全状態を的確に把握することが肝心です.本研究では,常時または定期的に監視・診断するための各種損傷検出技術や診断技術を提供します.研究では,さらにこれらの技術を統合し,診断結果に基づいて的確なメンテナンスを講じたり,人間の経営的判断を支援する「健全性マネジメントシステム」の確立を目指しています.